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ぎゃおッPiの思い出

こんにちは、米山田米太郎です。

 

今回は「ぎゃおッPi」の思い出について

つづってみたいと思います。

 

あれは私が中学生の頃でした。

 

1996年11月23日にバンダイから発売された携帯型育成ゲーム「たまごっち」が

大ヒットし、テレビではとにかく、たまごっちが大ブームという特集が

何度も行われ、私が知った頃には、

店頭ではその姿を見ることが絶望的な状況の、

幻の商品となっていました。

 

ちなみに現在は楽天やアマゾンでその姿を見ることができます。

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そんな状況の中、私が幼少期によく通っていた駄菓子屋さんの店先に

とんでもない張り紙が掲げられていました。

 

【たまごっち入荷決定。予約受付中】

 

中学生になって、その駄菓子屋さんから足は遠のいていましたが、

その張り紙が噂が噂を呼び、その駄菓子屋さんには中学生たちが一気におしかけ、

次々に予約を済ませました。

 

入荷予定日まで皆ワクワクしながら待ちました。

 

入荷予定日、放課後にその駄菓子屋に言ってみると、

店の外は、黒山の人だかりとなっていました。

 

喜びの歓声というよりは、疑問、不満の低音の声で溢れていました。

 

何か様子がおかしいなと思いながら店内に入ると、

「いや、これ違うだろ」

「いやいや、予約したんだからちゃんと買えよ」

という中学生と当時80歳ぐらいの駄菓子屋のばあさんがやりあっていました。

 

まあ、タイトルに書いてあるので、もうお察しだとは思いますが、

 

私が身を乗り出して、見てみますと、

案の定、こちら、たまごっちのインスパイア系ペット【ぎゃおッPi】でした。

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半ば強引に皆ぎゃおッPiを買わされ、

たまごっちを期待していた反動で、

ものすごい落胆の中、皆シブシブこのインスパイア系恐竜を育てることになりました。

 

しかし、シブシブ始めたものの、意外とこれはこれで楽しく、

すっかり私はぎゃおッPiを気に入って、

肌身離さず、ぎゃおッPiを持ち歩き、こまめにごはんをあげたり、遊んだり、

糞をかたづけたり、寝るときは電気を消してあげたり、

手塩にかけてぎゃおッPiを育てました。

 

私の周りの強制的にぎゃおッPiを買わされた連中も

すっかりぎゃおッPiにハマり、気がつくと、

私のクラスのほぼ全員が、ぎゃおッPiを育てるという状況となり、

駄菓子屋には「ぎゃおッPi売り切れ。次回入荷予定日○○日。予約受付中」

の張り紙が貼られるほどになりました。

 

ぎゃおッPiには、通知機能があり、ぎゃおッPiがお腹がすいたり、

遊んでほしい時に「ピピッ!」と音が鳴って知らせてくれるのですが、

音が鳴らないようにマナーモード(サイレントモード)にすることもできますので、

先生にぎゃおッPiがバレるとまずいので、

授業中は当然皆マナーモードにしていました。

 

ぎゃおッPiを育てはじめ1週間ほど経ち、

各々それぞれの個性を持ったぎゃおッPiをかわいがっていた時に、

事件は起こりました。

 

帰りの会(ホームルーム)の時に、

「ピピッ!」と誰かのぎゃおッPiが泣き出したのです。

 

それまで穏やかだった30代前半の女の担任の先生の表情が

豹変しました。

 

「誰だ?」

 

教室は静まりかえりました。

 

「黙ってないで、答えなさい」

 

それでも、沈黙は守られていました。

 

「名乗り出るまで待ってるからな」

 

静まりかえって張り詰めた時間が流れました。

 

先生は誰のものか察しているのかどうかはわかりませんでしたが、

皆静かにしつつ、目玉だけをキョロキョロ動かしている中、

一人だけじっと真下を見つめている女子がいたので、

だいたいその様子から皆は察しているようでした。

 

10分、20分と時間が経っても、膠着状態は続きました。

 

私のポケットにもぎゃおッPiはおりますし、

クラスのほぼ全員のポケットにもぎゃおッPiがいます。

 

先生がもし、しびれを切らして、持ち物検査をするなどと言い出したら、

一網打尽で、ぎゃおッPiが殺処分されてしまうという

最悪の事態も想定されました。

 

もはや例の女子は動けない様子なので、

もう、ここは自分が名乗り出て殉職することで、

英雄となる道を選ぼうか、そんな考えも頭をよぎりました。

 

しかし、私は誰が鳴らしたか察していますが、

もし、私以外、誰も察していなかったとしたら、

ここで自分が名乗り出たら、「もっと早く名乗り出ろよ」と、

ただ単に往生際の悪い真犯人のレッテルを貼られるだけになってしまうので、

それはキツいぞという迷いで、

私も動き出す決意が固まりませんでした。

 

沈黙が1時間ほど経過し、先生が口を開きました。

「わかりました。残念です。」

 

私はごくりと唾を飲み込みました。

 

「もういいです。鳴らしてしまった人もじゅうぶん反省しているでしょう。

以後、授業に関係ないものは持ってこないように。

それでは、帰りの挨拶をしましょう」

 

帰りの挨拶を終え、一気に教室からため息が漏れました。

先生が教室を去ると、やはり、だいたい皆察していたようで、

例の女子はひとりうつむいたままで、

それ以外の人は話し相手を見つけて、

一時間たまりにたまった思惑を話し合っているようでした。

 

私も友人と一時間の胸の内を話しながらトイレに向かい、

自分のぎゃおッPiもお腹をすかせて泣いているかもしれないので、

「ごめんね、待った~?」と心の中でつぶやきながら、

トイレでポケットからぎゃおッPiを取り出すと、

私のぎゃおッPiが死んでました。

 

色んな感情が交錯しましたが、結論としては、

「自分が名乗り出て英雄になってればよかったな」。

 

そんなぎゃおッPiとの思い出を経て、数ヶ月後、

例の駄菓子屋には、本物のたまごっちが入荷されたようですが、

皆、ぎゃおッPiで飽きて、ほとんど人が興味を示さなかったようです。

 

ですので、私は今まで、本物のたまごっちを生で見たことはありません‥。

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